【三菱 デリカD:5】10年以上愛される理由と故障傾向・中古車選びの注意点
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はじめに
2007年にデビューした三菱 デリカD:5(D5)。それまで販売されていたデリカスペースギアの路線を引き継ぎ、「ミニバン × SUV」という唯一無二のコンセプトで登場しました。一般的なミニバンとは一線を画す悪路走破性と高い車高、そしてタフな設計により、アウトドアファンやキャンプ愛好家を中心に今もなお多くの支持を集めています。
販売開始から15年以上が経過する今もなおモデルチェンジを行わず、マイナーチェンジを重ねながら現行モデルとして販売されている稀有なクルマでもあります。そのため、中古市場には非常に幅広い年式・仕様の個体が流通しており、状態次第では80万円台から入手可能というお得さも魅力です。
しかし、その歴史の長さゆえに「年式相応のトラブル」や「特定の故障傾向」があるのも事実です。本記事では、デリカD:5にありがちな故障・トラブルと中古車選びの注意点を詳しく解説していきます。
目次
- はじめに
- 弱点① パワーステアリングホースからのオイル漏れ
- 弱点② ラジエーター冷却水漏れ
- 弱点③ ハイトセンサの故障(光軸調整機能)
- 弱点④ ヘッドカバーからのオイル漏れ
- 弱点⑤ CVTの異音(ガソリン車)
- 弱点⑥ ディーゼル特有の排ガストラブル(EGR・DPF関連)
- 弱点⑦ ラジエーターファンの不具合
- 経年劣化による定番の故障一覧
- 故障に備えるにはどうするべき?
- 中古車購入時のポイント
- まとめ
弱点① パワーステアリングホースからのオイル漏れ
比較的古い年式のデリカD:5に多く見られるのが、パワステホースからのオイル漏れです。特にエンジンルーム内の高温や経年によるゴム部の劣化により、圧力がかかるホースがひび割れてオイルが滲むケースが目立ちます。
このまま放置するとステアリングの重さや異音につながる可能性があるため、点検時にホースの状態をしっかり確認しておくことが重要です。ディーラーや整備工場では対策部品が用意されている場合もあります。
弱点② ラジエーター冷却水漏れ
10万km以上走行している車両でよく見られるのが、ラジエーターからの冷却水漏れです。特にアッパーおよびロアタンク部分が樹脂製のため、経年劣化でひび割れや破損を起こすことがあります。
冷却水の漏れはオーバーヒートの原因となる重大なトラブルの一つ。水位が減っている場合は早めに点検し、異常があればラジエーターごと交換を検討しましょう。
弱点③ ハイトセンサの故障(光軸調整機能)
デリカD:5には車高に応じてヘッドライトの照射角度を自動調整するハイトセンサ機能が備わっています。しかし、このセンサーが経年劣化や衝撃により破損し、機能しなくなるケースが報告されています。
特に前後の乗員・荷物の積載により車高が変動するシーンでは、安全運転に直結する重要な機能。中古購入時には光軸が正常に動作しているかを確認しておくと安心です。
弱点④ ヘッドカバーからのオイル漏れ
初期モデル(2007~2010年頃)では、エンジンのヘッドカバーからのオイル漏れが見られることがあります。これはパッキンの劣化によるもので、放置するとエンジン下部にオイルが垂れたり、焼けたニオイがする原因にもなります。
点検時にエンジン周辺にオイルのにじみがないか、整備記録にヘッドカバーガスケット交換の履歴があるか確認しておきましょう。
弱点⑤ CVTの異音(ガソリン車)
ガソリンモデルに搭載されているCVTは、特に10万kmを超えたあたりから異音や振動を訴えるユーザーが増えてきます。これはCVT内部のベルトやプーリー、あるいはオイルの劣化が原因です。
もし購入を検討している車両がガソリン車であれば、CVTフルードの交換履歴があるかどうかを必ず確認しましょう。未交換の場合、納車前に整備を依頼するのも手です。
弱点⑥ ディーゼル特有の排ガストラブル(EGR・DPF関連)
ディーゼルモデル特有の問題として、EGRバルブ・EGRクーラー・DPFの詰まりが挙げられます。
特に10万km以上走行した車両では、以下のような症状に注意が必要です。
これらは主に短距離走行やアイドリングが多い使用環境で発生しやすく、対処にはクリーニングや部品交換が必要となるケースがあります。中古車選びの際には、メンテナンスの記録を必ず確認しておきましょう。
弱点⑦ ラジエーターファンの不具合
まれにですが、ラジエーターファンのモーターに過剰な負荷がかかり、配線が焼けるトラブルも報告されています。症状が進行すると、エアコンが効かなくなる、あるいは冷却が追いつかずオーバーヒートの原因にもなりかねません。
症状が出る前に、点検時にファンモーターの動作音や冷却性能に異常がないか見てもらうとよいでしょう。
経年劣化による定番の故障一覧
デリカD:5は長寿モデルということもあり、年式や走行距離による「お決まりのトラブル」も多数報告されています。
以下に代表的な経年劣化ポイントをまとめます。
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エアコンの効きが悪くなる(コンプレッサーやガス漏れ)
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ウォーターポンプの故障
- オルタネーターの故障
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足回りブッシュの劣化によるグリス漏れ
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ショックアブソーバーの抜け
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燃料ポンプの故障
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ハブベアリングからの異音
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パワースライドドアの開閉不良
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内装からのビビり音や軋み音
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ボディ下回りやリアゲートヒンジ周辺の錆
こういったトラブルは、ある程度年式の古い中古車であれば避けられない部分ですが、整備履歴がきちんと記載されていれば回避・予防可能なことも多いです。
故障に備えるにはどうするべき?
デリカD:5はモデルライフが長いため、これまでに多数のリコールやサービスキャンペーンが実施されています。よって、購入前・購入後ともに公式サイトでリコール対象かどうか確認することが大切です。
対応策としておすすめなのは:
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定期点検を怠らない
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リコール情報を定期的にチェック
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延長保証や保証継承サービスを利用する
公式HPでは、車体番号を入力することで、該当するキャンペーンやリコールを簡単に確認できます。購入後も定期的にチェックしておくと、故障予防につながります。
中古車購入時のポイント
✅ 点検記録簿の有無を確認
整備履歴がしっかり残っている車両は、メンテナンス意識の高い前オーナーが所有していた可能性が高く、故障リスクも比較的低くなります。
✅ 格安車両には要注意
100万円以下の格安個体も多数ありますが、そうした車体は「現状販売」や「整備なし」のことも。予防整備を含めたコストが別途発生する可能性があるため、総額で比較しましょう。
✅ 信頼できる販売店を選ぶ
ディーゼル特有の不具合や電子制御系トラブルに対応できるよう、自社整備工場を持つ販売店や専門知識のあるショップを選ぶと安心です。
✅ 有償保証には必ず入る
ディーゼル特有の不具合や電子制御系トラブルは、突然起きます。高額修理になる可能性もあることから、極力有償保証に入っておきましょう。

まとめ
デリカD:5はその高い悪路走破性と多人数乗車性能を兼ね備えた、唯一無二のSUVミニバンです。数々のマイナーチェンジにより熟成が進んでおり、中古車市場でも人気は根強いまま。トラブルが全くないわけではありませんが、整備・点検をきちんと行えば長く付き合える一台です。
これからデリカD:5の中古購入を検討している方は、ぜひこの記事のポイントを参考に、良質な一台を見つけてください。アウトドアから日常のファミリーユースまで、頼れる相棒になってくれるはずです。
